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昔々、大食漢な殿様がおられたそうな。
しかし楽しみの食事もいちいち家来が毒味をし、
食べる頃には冷めてしまいます。
「一度でいいから熱々を食べたいのぉ」
何度か家来に命令しましたが殿の身を案じての事の一点張りで叶いません。
ある日、僧が城を訪ねてきました。
「殿、大変珍しい箱をお目にかけたく」
そう言って僧は冷飯を箱に入れ蓋を閉じ横に飛び出した取手をぐるぐる回しました。
いくらか回すと軽快な鈴の音が鳴り響きました。
「こりゃまた珍妙な音だ」殿は興味津々です。
すると箱の冷飯はほっかほかのご飯となって出てきました。
「なんと!これはいったい!?」
「詳しくは言えませぬが仏様の思し召しとだけ。殿が冷飯にうんざりされているとか」
殿は熱々の茶碗を手に持って目を輝かせました。
「これで熱々が食べられる!僧よ何か褒美をとらすぞ。遠慮せず受け取れ」
僧は後に
電志蓮寺という立派な寺を建てたそうな…
しかし楽しみの食事もいちいち家来が毒味をし、
食べる頃には冷めてしまいます。
「一度でいいから熱々を食べたいのぉ」
何度か家来に命令しましたが殿の身を案じての事の一点張りで叶いません。
ある日、僧が城を訪ねてきました。
「殿、大変珍しい箱をお目にかけたく」
そう言って僧は冷飯を箱に入れ蓋を閉じ横に飛び出した取手をぐるぐる回しました。
いくらか回すと軽快な鈴の音が鳴り響きました。
「こりゃまた珍妙な音だ」殿は興味津々です。
すると箱の冷飯はほっかほかのご飯となって出てきました。
「なんと!これはいったい!?」
「詳しくは言えませぬが仏様の思し召しとだけ。殿が冷飯にうんざりされているとか」
殿は熱々の茶碗を手に持って目を輝かせました。
「これで熱々が食べられる!僧よ何か褒美をとらすぞ。遠慮せず受け取れ」
僧は後に
電志蓮寺という立派な寺を建てたそうな…
SF
公開:20/11/25 14:13
まずは自分が楽しむこと。
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