悪のポリシー

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古今東西、悪には悪の美学が成り立っていた。
子供には手を出さない、コインを投げて表だったら見逃す、二枚目を倒す時には顔を殴らない等々。

だが、所詮は悪役。ヴィランはヒーローにやられてなんぼの存在意義だ。
そこで、またヤラレ方にも敗北の美学といったものが生まれる。
両手をあげて「やられたー!!」と敗北を自己申告して自爆したり、二枚目なら無駄に色気を振りまいてギャラリーの関心を惹いたり等々。

だが、悪役にも良心がある。
ヒーローの変身中は攻撃しない、捕まえておいてトドメは刺さずにわざわざ反撃の隙を与える等々。ここは永遠の謎だ。

「さて、ヴィランスクールの今日の講義も終わり!
明日は、悪役がヒーローになるにはどうすれば良いか、について明朝、清掃の社会奉仕活動があるから早めに登校するように!」

そう言って背を向ける強面の校長は、今日も奥方に懲らしめられる悦びに浸っていた。
…これぞ悪の鑑!
青春
公開:20/11/24 00:55
更新:21/02/27 22:14

水鏡かけら( 日本 )

執筆のリハビリがてらに、書いております。
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