キリンたち

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巨大なキリンだった。
あまりにも巨大なので、誰もその顔を見たことがない。長過ぎる首は雲の上へと突き抜けているし、快晴の日でも先のほうは霞んでいて目視することはできない。

キリンの出現と時を同じくして、宇宙ステーションを含むあらゆる衛星・空を飛んでいた航空機のすべてが破壊された。原因は不明だが、誰もがあのキリンの仕業だと信じて疑っていない。

キリンはどうやら世界中に出没しているらしく、何匹いるのか定かではない。いったいどこから、どのようにして現れ、そして何を目的に行動しているのか、すべては謎に包まれている。始めは驚愕していた我々もじきに慣れ、キリンはいつからか風景の一部として世界に溶け込んでいた。

「どうしてキリンさんは首が長いの?」
「宇宙の秘密を守るためさ。人間は知り過ぎてしまったんだ」

GPSが使えなくなって不便だったが、我々はどこかほっとしていた。
もう、知らなくていいのだ。
ファンタジー
公開:20/11/25 07:00
更新:20/11/24 12:23

レオニード貴海( 某海なし県 )

さまようアラフォー主夫

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