輝いているゴミ箱

　目の前に、キラキラと輝いているゴミ箱がある。そのゴミ箱は、ゴミを入れるたびに「ヤッホー」と叫んでは、蓋を開け閉めしながら飛んだり跳ねたりしてくれる。
　それがうるさい時もあるが、ゴミを捨てるのがとても楽しくなるので、気がついたら回りのゴミがなくなり部屋がキレイになったりする。
　そのゴミ箱はそれだけではない。実は人の悩みも聞いてくれるのだ。もしいま悩みがあるとしたら、それを手紙に書いてそのゴミ箱へ入れてみる。
　するとしばらくしてから、その悩みに対するアドバイスをくれたり、一緒に泣いたり笑ったりしながら共感してくれたりもする。
　でも、ひとつだけ欠点がある。おしゃべりなのだ。ときどき、家族や友達に秘密の悩みをついうっかりと話してしまうのだ。
　そんなゴミ箱だけど、今日もまたひとつのゴミを投げ入れたら、飛び上がって輝きながら喜んでくれた。それだけに、やっぱり僕はこのゴミ箱を一生手放せない。