嘘つきのん子ちゃん

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「ねえ、このポップコーンあまーい!」
と、のん子ちゃんが言ったので、私も一つ口に放り入れてみた。
ぽりぽりと味わう。
え、甘いかな?
「普通に塩味だと思うんだけど…」
不安になってポップコーンの袋を見てみると確かに<しお味>と書かれている。
どんな表情をすればいいのかわからない。
「うーん、ま、ほのかな甘みが無いともいえないかなぁ」
のん子ちゃんは絵本の表紙を指さした。
「みて、この消防車、あおいね!」
「え?」
私はびっくりした。
消防車はどう見たって赤い。
不安になってのん子ちゃんの顔を窺うと、何かおかしそうに笑っている。
私は腕組みをして、周囲を見渡した。
ソファの上に円形のクッションがある。
「のん子ちゃん見て!あのクッション、四角いよ!」
「え?」
のん子ちゃんは一瞬不思議そうに見つめて、それから私を見た。
「ホントだ。あれ四角い!」
私たちは腹を抱えて一緒に大笑いをした。
その他
公開:20/11/24 09:04
更新:20/11/24 09:05

水素カフェ( 東京 )

 

最近は小説以外にもお絵描きやゲームシナリオの執筆など創作の幅を広げており、相対的にSS投稿が遅くなっております。…スミマセン。
あれやこれやとやりたいことが多すぎて大変です…。

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