公園

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 近所の公園を散歩するのが、大谷さんの日課なのだそうだ。
 その日も、彼女はいつものように、朝早くに家を出て、公園へと向かった。
 公園自体はそれほど大きくなく、ゆっくり歩いても二〇分もかからない行程なのだが、その日ばかりは様子が違っていた。
 公園へ一歩入った途端、大谷さんは思わず立ち止まってしまった。
 というのも、そこにはいつもの公園ではなく、どこまでも果てしなく続く何もない大地が広がっていたからだ。
 奥の方には地平線が見えており、その辺りから夕焼けのようは光が放たれて、近くの雲を紅色に染め上げていた。
 大谷さんは思わず後ろを振り返った。すると、そこにはいつもの道路が見えたので、彼女はその道を使って家へと逃げ帰った。
 翌日、恐々と公園へと向かったが、もうそこには例の大地は広がっていなかったそうだ。
ホラー
公開:20/11/23 08:09
更新:20/11/23 11:43
怪談 『刹那怪談』

海棠咲

 幻想小説や怪奇小説を自由気ままに書いています。
 架空の国、マジックリアリズム 、怪談、残酷なファンタジー、不思議な物語が好きです。
 そこに美しい幻想や怪奇があるならば、どんなお話でも書きたいと思います。

 アイコンは宇薙様(https://skima.jp/profile?id=146526)に描いていただきました。

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