狐の嫁入り

6
6

「マスター、こんにちは」
「よう来てくれはりました」
「久しぶり。ところでマスター、狐の嫁入りって知ってる?」
「えー、晴れとるのに雨がパラつく、というアレですか」
「いやそれもあるけど、狐火が沢山みえる、というやつ」
「はぁ」
「僕が子供の頃、近所の人に教わった不思議な現象で」
「どんなんです?」
「夜に田舎道の遠くの彼方に、灯りがポツンと動いていて」
「ふん」
「ゆっくり動いて、灯りがパラッと増える。二・三個に増えたと思うと、また一つになる」
「ほぉ」
「でまたパラパラッと七・八個に広がったり、一つに戻ってゆっくり動いてる」
「それが、狐の嫁入り行列や、という訳ですか」
「そう。本当にあるのかな」
「それ、多分蜃気楼でっしゃろ。その灯りはおそらく提灯で、それが空気のプリズム現象で、幾つもに見えるんでしょう」
「なるほど。昔は空気がキレイで、そんな事も起きたのかもね」
「不思議ですな」
その他
公開:20/11/23 12:46
更新:20/11/23 20:45
フシギ談義 次回は僕の体験を 喫茶店 実話シリーズ

tamaonion( 千葉 )

雑貨関連の仕事をしています。こだわりの生活雑貨、インテリア小物やおもしろステーショナリー、和めるガラクタなどが好きです。

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容