ロヴェリアの夢想宮

　アルヴァイン州のリストという街にある「ロヴェリアの夢想宮」は非常に有名な魔石建築として知られている。
　元々、リストは飛翔石という魔石が採れるところとして有名であったが、ロヴェリア・パールは、そんな飛翔石採掘場で働く工夫の娘として生まれた。
　彼女は成長してリスト宗教学校の教師となるが、ストレスから一時は休職をしていた。
休職中、一人で飛翔石の採掘場近くを歩いていたロヴェリアは、非常に面白い形をした飛翔石を拾った。その時、自分の中に手業の女神レーラインの天啓が降り、目の前に多数の神像と宮殿建築が現れたのだと、晩年に彼女は述懐している。
　その後、彼女は憑かれたように魔石を拾っては組み立てるという作業を四〇年近く続け、拝陽暦二一〇五年に、三五四体の神像が立ち並ぶ壮大な宮殿を作り上げたのである。
これこそが「ロヴェリアの夢想宮」なのだ。