夕暮れ自動販売機

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「おい!新人!今日中にこの現場片付けておきたいから自販機で夏の夕暮れ買ってこい!」
親方に言われ、僕は夕暮れ自動販売機に走る。
冬の夕暮れ。5時に辺りは暗くなり、気温もぐっと下がって来る。僕は買ったばかりの夏の夕暮れでかじかむ指先を温めた。
「よ~し!缶を開けろ!」
親方の指示に従い、缶を開ける。夏の明るい夕暮れが現場を包んだ。
夏の5時はまだ日も高く。少々汗ばむ暑さだ。
しかし、冬場の冷え切った空気の中作業していた僕らにはそれがありがたい。
「お前ら!もうひと踏ん張りだ!」
あと1時間、ラストスパートをかける。

冬の今、夕暮れ自動販売機で売っている夏の夕暮れは外で働く者にとても重宝されている。
夏になると冬の夕暮れが売り出され、これまた重宝する。
春と秋はないのかって?春も秋も夕暮れはそんなに変わらないだろう?
それにウリにするなら分かりやすい方がいい。これ”あきない”の鉄則だからな。
公開:20/11/21 18:35

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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