おとしもの
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公園の砂場に女の生首が落ちていた。
まだ落ちて間がない感じだ。しかし辺りを見回しても首のない人は歩いていない。
水飲み場で砂や血を綺麗に洗い流して確かめてみたが名前も書いていないので交番に届けることにした。
放っておいても構わないが、これも善良な市民の務め、というものだろう。
きっと大事な首を失くして困っている人がいるはずだ。泣いているかもしれない。いや、泣くのは無理か。
歩きながら女の生首を改めて見つめる。濡れたセミロングの髪が僕の指に絡む。髪を乾かしてあげれば良かったな。風邪をひかなきゃいいけど。
とりあえず交番へ急ごう。
でも、もし落とし主が現れなかったら、いずれは僕のものになるのかな。
その時はどうしよう。
考えるとなんだかドキドキしてきた。
新しい身体を用意してあげなくちゃいけないな。
ああ、そうか。君もそうして捨てられたのかな。
まだ落ちて間がない感じだ。しかし辺りを見回しても首のない人は歩いていない。
水飲み場で砂や血を綺麗に洗い流して確かめてみたが名前も書いていないので交番に届けることにした。
放っておいても構わないが、これも善良な市民の務め、というものだろう。
きっと大事な首を失くして困っている人がいるはずだ。泣いているかもしれない。いや、泣くのは無理か。
歩きながら女の生首を改めて見つめる。濡れたセミロングの髪が僕の指に絡む。髪を乾かしてあげれば良かったな。風邪をひかなきゃいいけど。
とりあえず交番へ急ごう。
でも、もし落とし主が現れなかったら、いずれは僕のものになるのかな。
その時はどうしよう。
考えるとなんだかドキドキしてきた。
新しい身体を用意してあげなくちゃいけないな。
ああ、そうか。君もそうして捨てられたのかな。
ホラー
公開:20/11/21 13:28
主にTwitterで140字小説やマイクロノベル等、短いお話をのんびりと書いています。
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