意気地無し
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「なぁ、今度の日曜日、俺誕生日なんだよ。だから、デートしてくんね?」
「・・・うん、いいよ」
この、意気地無し。
最初は小学生の頃だった。幼なじみだった彼が突然、誕生日の日にデートしてくれと言い出して。それから毎年、同じやり取りを繰り返す。このやり取りだけは変わらず、そして、そう言われる度に私はこう思うのだ。
「意気地無し」と。
「今日はありがとうな!」
「こっちこそ。結局お金出させちゃったし」
「いいんだよ!今日は誕生日だから、俺太っ腹なんだ」
「自分で言うの?それ」
映画館の帰りに、そんなくだらない話で笑い合う。誕生日なんて理由が無ければ、きっと、もっと楽しい筈なのに。
「・・・じゃあな!楽しかったぜ!」
「あ・・・」
軽く手を振って遠ざかっていく姿。それを見送って、また、自己嫌悪に陥る。
誕生日なんて理由が無ければ、彼とデートも出来ないなんて、ホントに私の意気地無し。
「・・・うん、いいよ」
この、意気地無し。
最初は小学生の頃だった。幼なじみだった彼が突然、誕生日の日にデートしてくれと言い出して。それから毎年、同じやり取りを繰り返す。このやり取りだけは変わらず、そして、そう言われる度に私はこう思うのだ。
「意気地無し」と。
「今日はありがとうな!」
「こっちこそ。結局お金出させちゃったし」
「いいんだよ!今日は誕生日だから、俺太っ腹なんだ」
「自分で言うの?それ」
映画館の帰りに、そんなくだらない話で笑い合う。誕生日なんて理由が無ければ、きっと、もっと楽しい筈なのに。
「・・・じゃあな!楽しかったぜ!」
「あ・・・」
軽く手を振って遠ざかっていく姿。それを見送って、また、自己嫌悪に陥る。
誕生日なんて理由が無ければ、彼とデートも出来ないなんて、ホントに私の意気地無し。
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公開:20/11/21 10:10
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