再会
5
2
私は唄う。 あなたへ届くようにー。
戦乱の世。
私は一国の主の娘として生まれ、乳母の息子と兄妹同然に育てられた。
彼は、私を護るため、幼少期から剣術を学び、鍛練していた。
「姫がご無事でなにより」
彼を失って初めて、私は彼への思慕に気づいた。
父上の制止も聞かず、衝動的に仏門に入り、生涯を捧げた。
「ありがとうございました!」
唄い終えて一礼すると、広場に集まった大勢のお客さん達から拍手と歓声が湧き起こった。
この瞬間は、何度経験しても胸が熱くなる。
路上ライブを始めた頃は、耳を傾けてくれる人が居なくて、心が折れそうになることが多々有った。
そのたび、いつか彼に届く日を夢見て、自分を奮い立たせてきた。
「やっと、お会いできました!」
広場に残った一人の男性が、歓喜の声を上げた。
優しく微笑む彼の額には、私を庇って斬られた傷痕が刻まれていた。
戦乱の世。
私は一国の主の娘として生まれ、乳母の息子と兄妹同然に育てられた。
彼は、私を護るため、幼少期から剣術を学び、鍛練していた。
「姫がご無事でなにより」
彼を失って初めて、私は彼への思慕に気づいた。
父上の制止も聞かず、衝動的に仏門に入り、生涯を捧げた。
「ありがとうございました!」
唄い終えて一礼すると、広場に集まった大勢のお客さん達から拍手と歓声が湧き起こった。
この瞬間は、何度経験しても胸が熱くなる。
路上ライブを始めた頃は、耳を傾けてくれる人が居なくて、心が折れそうになることが多々有った。
そのたび、いつか彼に届く日を夢見て、自分を奮い立たせてきた。
「やっと、お会いできました!」
広場に残った一人の男性が、歓喜の声を上げた。
優しく微笑む彼の額には、私を庇って斬られた傷痕が刻まれていた。
ファンタジー
公開:20/11/22 19:07
更新:20/11/22 19:54
更新:20/11/22 19:54
ログインするとコメントを投稿できます