佐野さんのクッキー
4
3
佐野さんが作って来てくれたクッキーは、蓋を開けると動き始めた。
ムダに動作のかわいい熊さんや兎さんなので、捕まえて食べるのが忍びなくなってしまう。
自分で作ったはずの佐野さんも、なぜか目に涙を溜めながら、兎さんを捕まえて、ごめんよぉ、なんてしんみりしている。
これじゃあ、何だかお葬式みたいになってしまっているなぁと思いつつ、クッキーに何を混ぜたの、と尋ねると、佐野さん曰く、「命の粉」とのこと。
なぜそれを入れたとツッコめば、だって動けばかわいいかなって思ったんだもん、と涙声で佐野さんは訴える。
私たちのやり取りを知ってか知らずか、クッキー姿の動物たちは、机の上で円陣を組み、自分の身体からクッキーカスを零しながら、よく分からない創作ダンスを踊り始めている。
ムダに動作のかわいい熊さんや兎さんなので、捕まえて食べるのが忍びなくなってしまう。
自分で作ったはずの佐野さんも、なぜか目に涙を溜めながら、兎さんを捕まえて、ごめんよぉ、なんてしんみりしている。
これじゃあ、何だかお葬式みたいになってしまっているなぁと思いつつ、クッキーに何を混ぜたの、と尋ねると、佐野さん曰く、「命の粉」とのこと。
なぜそれを入れたとツッコめば、だって動けばかわいいかなって思ったんだもん、と涙声で佐野さんは訴える。
私たちのやり取りを知ってか知らずか、クッキー姿の動物たちは、机の上で円陣を組み、自分の身体からクッキーカスを零しながら、よく分からない創作ダンスを踊り始めている。
ファンタジー
公開:20/11/22 07:44
マジックリアリズム
『幻想日和』
幻想小説や怪奇小説を自由気ままに書いています。
架空の国、マジックリアリズム 、怪談、残酷なファンタジー、不思議な物語が好きです。
そこに美しい幻想や怪奇があるならば、どんなお話でも書きたいと思います。
アイコンは宇薙様(https://skima.jp/profile?id=146526)に描いていただきました。
ログインするとコメントを投稿できます