空っぽの弁当箱
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私の息子は、反抗期だ。平日は部活で遅くなり、休日は友達と遊びに行って、家族で過ごす時間は一気に減った。暴力を振るわれることは無かったけれど、一言も口を聞かない日が増えていった。
けれど、そんな息子と唯一やり取りをする時間がある。
夜遅く、台所に乱雑に置かれた弁当箱。「水につけておいて」と言ったものの、一度も守られていない弁当箱。開いてみると、中はすっからかん。
「今日も全部食べたんだ」
空っぽの弁当箱を見ると、胸が熱くなる。もういらないだなんて言われたけど、弁当を用意すると、必ず空っぽになって返ってくる。それだけで、私は充分だった。
ある日、いつものように返ってきた弁当箱を洗おうと開けると、中から1枚の紙が落ちてきた。何だろうと思って、拾い、中を見る。
『毎日ありがとう』
不格好な字で書かれたその一言は、私を泣かせるには充分で。
ああ、そうだ。次の休みは、久しぶりに家族で外出しようかな。
けれど、そんな息子と唯一やり取りをする時間がある。
夜遅く、台所に乱雑に置かれた弁当箱。「水につけておいて」と言ったものの、一度も守られていない弁当箱。開いてみると、中はすっからかん。
「今日も全部食べたんだ」
空っぽの弁当箱を見ると、胸が熱くなる。もういらないだなんて言われたけど、弁当を用意すると、必ず空っぽになって返ってくる。それだけで、私は充分だった。
ある日、いつものように返ってきた弁当箱を洗おうと開けると、中から1枚の紙が落ちてきた。何だろうと思って、拾い、中を見る。
『毎日ありがとう』
不格好な字で書かれたその一言は、私を泣かせるには充分で。
ああ、そうだ。次の休みは、久しぶりに家族で外出しようかな。
その他
公開:20/11/20 11:18
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