有閑マダム焦る（中）　～こびと派遣業 ミジェット～

雪は現状の見立てを正直に話し、提案した。
まず屋敷全体をきれいにし、そこから汚れ具合を計算して掃除方法を決める。その間、雪が立ち会って作業内容と方法とをこびとたちと検討していく。
朝食については冷菜を作っておくのでトーストで済ませで欲しい。それから決めよう。
それは櫻子から見ても合理的に思えたので、見積をみて即座にハンコを押した。
我が家たる屋敷がどの程度きれいになるか、わくわくするものがあった。
小人たちの作業は朝食後は昼前から開始、夕方までで、その間櫻子には外で友人たちと時間を潰してもらうことにした。
小人たちの作業は決して見ないようにと念を押した。

日に日に輝きを取り戻して行く屋敷の様子に櫻子は驚きつつも気分が高揚して行くのを感じた。

そして仕上げが終わった。櫻子は感動していた。美しく輝く家具や食器類、
それまであったくすみや汚れはすべて取れ、透明感で満たされていた。