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「縁があればまた会えるかもね」
そう言い残して、彼女は家を出ていった。
二人で生活を初めて二十年ほどになる。足りないながらも、自分なりに精一杯、彼女を愛し続けたつもりだ。
少しでもよい生活をさせようと、仕事も一生懸命頑張った。
だが、コロナによる不況は厳しい。だが、あまりの貧乏生活に嫌気がさしたらしい。そうして、彼女は男を作って、私の元から去っていった。
私は泣いた。六畳一間で肩を震わせ続けた。たった一人になってしまった。
そうして数年がたった。
彼女のことをあきらめかけたころ、彼女は子供を連れて戻ってきた。
そして、彼女は、私にこう言った。
「お父さん、お帰り。どう、初孫よ」
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公開:20/11/21 01:03

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