人形の国のアリス

女の子は友達がいなくて、人形に友達になってほしくて、アリスと名付けました。しかし、いじわるな男の子に人形を溝に投げ捨てられてしまいます。
「そんなのもういらないだろ」
必死で洗って、彼女は人形に話しかけました。
「アリス、わたしあいつが嫌い。どっかにいってほしいわ」
泣き疲れて、すっかり眠りにおちてしまった女の子は、数時間後目が覚めました。
下階には、夫婦が菓子折りをもって来ています。女の子の両親がお茶でも、と誘いましたが、急いでいるようで帰りました。
男の子とアリスはいなくなっていて、帰ってくることはありませんでした。
アリスは人形ではなくて、何か願いを叶えてくれる、夢でみた魔物だったのでしょうか。