ハエの山

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 ひたすらハエの模型を作る。給食に復讐するためだ。Tくんの学校の給食には、ネジが混ざっていたり、『鮭のムニエル』と書かれているのにただの焼き鮭が出たりと、とにかく雑だった。
「これを給食室に投げ込めば」
 給食室に抗議したこともあったが、煙のような言葉で巻かれてしまった。担任の先生ですらあきれる始末だった。
「よし、少し寝るか」
 100匹できた所で、絆創膏だらけの手を止めた。小さな達成感と、燃え滾る怨念も、睡魔には勝てなかった。

 Tくんが起きると、ハエが全て消えていた。母親に聞いても、知らん顔。ゴミ箱も探したが一匹も見つからない。
 一旦気を落ち着かせるために、テレビをつけた。すると、こんなニュースが流れてきた。
「Z高校の給食室に、大量のハエが侵入。混乱した調理師と栄養士の手違いにより出火。死者10名にも登り、今なお消火活動が――」
ファンタジー
公開:20/11/20 22:01

ゆぅる( 東京 )

お立ち寄りありがとうございます。ショートショート初心者です。
拙いなりに文章の面白さを追求していきたいと思って日々研究しています。
よろしくお願いします!

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