ループ＆loop、＆✖✖✖……

　起床し、新聞を見る。12月1日。男は長い息を吐き、今日は何をしようかと考える。
　半年後の朝、起床し、新聞を見る。12月1日だ。歯を噛み締め、低く呻く。
　さらに5年後の朝――起床し、新聞を見る。12月1日だ。次の日の朝も、次の朝も、同じ12月1日。季節は変わらず、歳も取らず、同じ日を繰り返す…俺だけ…自分だけ、未来への時が静止し、繰り返し、繰り返された。

　12月1日の午後23時59分、その当日、人命救助をしようが、墓参りに行こうが、世界中のどこへ行こうが、女子供を殺そうが、何をしようが…1分後、男は必ず12月1日に戻って来た。

　やがて、12月1日の新聞を眺めながら思う。
　…死のう。
　ロープを天井に吊り下げて首を通す…。
　終わろう。もう、うんざりだ。
　――そして、12月1日に戻った。


　ああ。
　300年後、男はようやく"真実"に気がついた。
　ここは地獄なんだ……。