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散歩中、公園のベンチでお弁当広げながら、わたし聞いてみたの。
「ねぇ。何であそこ、だれも座らないの?」
公園の角の、石でできたテーブルセット。他の席はいっぱいでも、いつもそこだけ空いてる。お弁当食べるならあっちの方がいいのに、何でだれも行かないんだろ?
「いるよ、ちゃんと」
指さされても、テーブルもいすも空っぽ。葉っぱが何枚か、風にカサカサゆれてるだけ。
「……もしかして、おばけ?」
黙った。
「生きてる。休憩してるだけ」
風がちょっと吹いて、テーブルの葉っぱが飛んだ。ひらひら飛んで、いすにぶつかって落ちた。地面の上でぱたぱた、、って。
「そっとしといてあげて。あと少しだから」
ふり返った顔の横、ふわってなでられた気がした。
新しい葉っぱが一枚、テーブルにカサッて落ちて。転がって動かなくなった。
「ねぇ……」
わたし今、だれと話してたんだろ?
分からないけど、胸のとこがきゅってなった。
「ねぇ。何であそこ、だれも座らないの?」
公園の角の、石でできたテーブルセット。他の席はいっぱいでも、いつもそこだけ空いてる。お弁当食べるならあっちの方がいいのに、何でだれも行かないんだろ?
「いるよ、ちゃんと」
指さされても、テーブルもいすも空っぽ。葉っぱが何枚か、風にカサカサゆれてるだけ。
「……もしかして、おばけ?」
黙った。
「生きてる。休憩してるだけ」
風がちょっと吹いて、テーブルの葉っぱが飛んだ。ひらひら飛んで、いすにぶつかって落ちた。地面の上でぱたぱた、、って。
「そっとしといてあげて。あと少しだから」
ふり返った顔の横、ふわってなでられた気がした。
新しい葉っぱが一枚、テーブルにカサッて落ちて。転がって動かなくなった。
「ねぇ……」
わたし今、だれと話してたんだろ?
分からないけど、胸のとこがきゅってなった。
ファンタジー
公開:20/11/18 00:45
散歩道で見た
シーズン3-⑬
円卓に帰し
創樹(もとき)と申します。
葬祭系の生花事業部に勤務の傍ら、物書きもどきをしております。
小石 創樹(こいわ もとき)名にて、AmazonでKindle書籍を出版中。ご興味をお持ちの方、よろしければ覗いてやって下さい。
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ベリーショートショートマガジン『ベリショーズ』
Light・Vol.6~Vol.13執筆&編集
他、note/monogatary/小説家になろう など投稿サイトに出没。
【直近の受賞歴】
第一回小鳥書房文学賞入賞 2022年6月作品集出版
愛媛新聞超ショートショートコンテスト2022 特別賞
第二回ひなた短編文学賞 双葉町長賞
いつも本当にありがとうございます!
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