属する代償

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「エカワ〜またお前か…ったく!これだから最近の若い奴らは!」会社に務める俺は、老害を振りまく上司との関係にギスギスして、心を痛めていた。体調も悪くなり、切羽詰まって心療内科の先生を訪ねた。「はい。それじゃあ一月分出しておきますね」「ありがとうございます」その後、処方された薬を決められた時間に飲み続けて、少しずつ体調が回復してきた。だが、同期のタカシから言われた一言がズシンと響く。「大丈夫かスグル?…お前最近、表情が減ってきたよな」鏡には、確かにロボットのような無表情の顔が映っている。危機感を感じた俺は体調に応じて、服薬するか、しないかを自分一人で決める事にした。断薬して一ヶ月も経つと、人間関係のちょっとした事にもイライラするように。そんなある日、上司にキレて危うくクビになりかけた。

仕方なく服薬を再開して半年たった頃、屠り場には引かれていく羊の姿が…
羊にとって幸せとは何だったのだろう?
青春
公開:20/11/19 09:39
更新:21/02/27 22:13

水鏡かけら( 日本 )

執筆のリハビリがてらに、書いております。
noteでは、web小説や映画のレビューも書いています。
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