異物除去

幅広の長い作業テーブルに医療ロボットがずらりと並んで、それぞれ二本や三本、四本のアームを備えている。ロボットたちの前には一体ずつ生体模型が置いてある。人体を模したトルソーモデルで毛の生えた皮膚、脂質、筋肉など精確に再現されている。
異物検出！と会場にアナウンスされるとロボットたちは一斉にアームを振り上げトルソーを撫で、一箇所でピタリと止まる。
異物除去！のアナウンスとともにアームの先のメスやドリルでトルソーを裂いたり穴を開けたりする。そして先端を挿入して異物を取り出す。異物とは真珠の玉である。取り出した真珠を手元のトレイに入れる。
異物除去継続！のアナウンスでまたロボットたちはトルソーをまさぐって、なかからときには奥深くから真珠を取り出してはトレイに入れる。
こうして時間内に取り出した真珠の数の上位数台の医療ロボットのみが次の実践研修に進むことができる。競走倍率はかなり高いらしい。