枕投げがやりたい!

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俺は地獄の特訓に耐え抜いた。
寒冬の日にも滝に打たれて心身を鍛え、腕立て、腹筋、スクワット、あらゆる筋トレにも精を出した。
反射神経を養うためにわざと蜂の巣を突いてスズメバチからの執拗な攻撃を避け続ける修業をしたこともある。
持久力をつけるために10kmのランニングも毎日欠かさなかった。
それもこれも全ては高校最大のビッグイベント、修学旅行の枕投げで圧倒的大勝利の栄光を手にするためだ!
運命の時はついに訪れた。
「おい、みんな枕投げやろうぜ!!」
俺は声高らかに呼びかけた。
だが皆の返事はぬるい。
「え、だりぃわ」
「枕投げなんてやるの中学生までだよな?」
「それよかスプラトゥーンやろうぜ!」
俺は膝から崩れ落ちた。
級友はそれぞれ勝手に携帯ゲーム機をいじり出す。
あの、努力の日々は何だったんだ!
くそっ俺はいつか枕投げを世界的なスポーツにしてやる!
この日の屈辱を胸に刻みつけ俺は誓った。
青春
公開:20/11/17 21:52

水素カフェ( 東京 )

 

最近は小説以外にもお絵描きやゲームシナリオの執筆など創作の幅を広げており、相対的にSS投稿が遅くなっております。…スミマセン。
あれやこれやとやりたいことが多すぎて大変です…。

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