シバタアキコはBARにいる
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私はシバタアキコ。今夜も、その辺のBARで一人の夜を楽しんでいる。
「あちらのお客様から」
突然、マスターが私の前にグラスを置いた。
「ホワイトレディです」
またか。どうして世の男たちは、私を一人にしてくれないのかしら。たまには静かな夜を過ごしたいものだわ。
しばらくして、再びマスターが言った。
「今度はあちらのお客様から」
「何かしら」
「ワンカップ大関です」
「急に昼間から飲んだくれてるおっさんみたいになったわね」
「続きましてあちらのお客様から」
「何かしら」
「ねるねるねるねです」
「練れば練るほど色が変わって……うまい! って練らすな練らすな」
「さらにあちらのお客様から」
「何かしら」
「食パンの袋を留める四角いやつです」
「バッグクロージャーね。これ他に使い道ないのよね~」
「そして私からです」
「何かしら」
「お会計30万円になります」
その夜、私は椅子を振り回した。
「あちらのお客様から」
突然、マスターが私の前にグラスを置いた。
「ホワイトレディです」
またか。どうして世の男たちは、私を一人にしてくれないのかしら。たまには静かな夜を過ごしたいものだわ。
しばらくして、再びマスターが言った。
「今度はあちらのお客様から」
「何かしら」
「ワンカップ大関です」
「急に昼間から飲んだくれてるおっさんみたいになったわね」
「続きましてあちらのお客様から」
「何かしら」
「ねるねるねるねです」
「練れば練るほど色が変わって……うまい! って練らすな練らすな」
「さらにあちらのお客様から」
「何かしら」
「食パンの袋を留める四角いやつです」
「バッグクロージャーね。これ他に使い道ないのよね~」
「そして私からです」
「何かしら」
「お会計30万円になります」
その夜、私は椅子を振り回した。
その他
公開:20/11/17 21:37
拙作
BAR『KISARAGI』
素敵な出会い
蟲乃森みどりさん
夕暮れのオジハン機
秋田柴子さんコメント
参照
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