言葉売りの少女
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珍しい露店商人の少女を見かけた。
旅をしながら商人をしているそうだ。
店頭には白い紙に言葉が書かれたものが並んでいた。
「顰蹙」、「喧嘩」、「失笑」、「恨み」、「不評」、「不興」、「不信」、「反感」、等々、様々な言葉が売られている。
「いらっしゃい、男前のお兄さん。おひとついかがですか?」
媚を売ってくる少女。
しかし、よく見ると似たようなマイナス感情の言葉ばかりじゃないか。
暇で油を売っていた僕は、少女商人に商品の説明を求める。
「お嬢さん、例えば「失笑」を買った場合、どのような恩恵を受けられるのですか。」
「一回だけ、あなたは周囲の人様から失笑を買うことができます。」
「失笑を買った人が失笑を買うのですか。。これ、誰が買うのです?」
「人との縁を切りたいという方に購入いただいていておりますよ。」
不気味な商人からは無償の「不信」を買って露店を後にした。
旅をしながら商人をしているそうだ。
店頭には白い紙に言葉が書かれたものが並んでいた。
「顰蹙」、「喧嘩」、「失笑」、「恨み」、「不評」、「不興」、「不信」、「反感」、等々、様々な言葉が売られている。
「いらっしゃい、男前のお兄さん。おひとついかがですか?」
媚を売ってくる少女。
しかし、よく見ると似たようなマイナス感情の言葉ばかりじゃないか。
暇で油を売っていた僕は、少女商人に商品の説明を求める。
「お嬢さん、例えば「失笑」を買った場合、どのような恩恵を受けられるのですか。」
「一回だけ、あなたは周囲の人様から失笑を買うことができます。」
「失笑を買った人が失笑を買うのですか。。これ、誰が買うのです?」
「人との縁を切りたいという方に購入いただいていておりますよ。」
不気味な商人からは無償の「不信」を買って露店を後にした。
ミステリー・推理
公開:20/11/15 09:10
更新:20/12/15 21:40
更新:20/12/15 21:40
20代後半、奈良県出身。
文章構成等々のご指摘をいただけますと幸いです。
400字を超える小説はnoteに書こうと思います。
https://note.com/rrr040339
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