子供の遊戯

2
2

黒々とした巣窟の中、また新たに家族が増える。白白しいベイビーちゃんを見て、自分を奮い立たせる。稼業を組織内で分担し生計を立てていく。

向こうから何やら気配を感じる。
どうやらその何者かが近づいているようだ。ビクッ、体の表面が粟立って正しい思考ができずにいた。そんな最中、仲間に経緯を伝える。情報の伝達に無駄がなく、プログラムしたロボット式に動きも伝達する。蕪雑だった仲間たちが列を成す、そこに迷い者無し、予め準備していたかのようにも思える。

針を刺す空気が漂う中、先頭に構えていた仲間がやられるのを匂った。その刹那、無意味な羅列変動を繰り返し、同志が殺られる。未だ敵もわからぬままに、兄弟達が死んでいく。各々が使命を全うし消えていく。存在意義は次の世代を紡ぐに他ならない。

本能的で、濁りの無い生命に、神遊びをする者が一人。本日も蟻たちの被害は大きく惨憺たる光景だけが夕焼けと共に公園に残った。
その他
公開:20/11/15 02:02

yamu

趣味で楽しく書いています。投稿は不定期ですが、よろしかったらコメントお願いします!

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容