月の小道
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幼い頃に聞いた噂話に月の小道というものがあった。なんでも満月の夜に現れて悲しみを癒してくれるという小道だそうだ。
そんな噂話もすっかり忘れ、淡々と月日を重ねていく生活が続いていたがその日だけは違った。
言い様のない悲しみが胸の奥でちりちりと燻っており、気分転換にと真夜中の散歩をする事にしたのだ。あてもなく歩いていると、見知らぬ小道に入り込んでしまった。
周りに人は居らず優しい月明かりが小道に差し込んでいる、ふと気づくと傍に子犬が1匹。
子犬はこちらに目もくれずに小道を渡り出す、辺りを見回すと馬や鳥、果ては無人の三輪車が小道を渡っている。
それらがまるで満月に吸い込まれる様に小道を渡り終えると月明かりがすっと消え、今までいた小道ではなく道路の真ん中に立っていた。
不思議とさっきまで胸の奥で燻っていた悲しみは無く、先程の月明かりの様な優しい気持ちが胸を満たしていた。
そんな噂話もすっかり忘れ、淡々と月日を重ねていく生活が続いていたがその日だけは違った。
言い様のない悲しみが胸の奥でちりちりと燻っており、気分転換にと真夜中の散歩をする事にしたのだ。あてもなく歩いていると、見知らぬ小道に入り込んでしまった。
周りに人は居らず優しい月明かりが小道に差し込んでいる、ふと気づくと傍に子犬が1匹。
子犬はこちらに目もくれずに小道を渡り出す、辺りを見回すと馬や鳥、果ては無人の三輪車が小道を渡っている。
それらがまるで満月に吸い込まれる様に小道を渡り終えると月明かりがすっと消え、今までいた小道ではなく道路の真ん中に立っていた。
不思議とさっきまで胸の奥で燻っていた悲しみは無く、先程の月明かりの様な優しい気持ちが胸を満たしていた。
ファンタジー
公開:20/11/15 01:26
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