ズル休み

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"この"嘘は絶対にバレない。
そんな確信があった。

本当は気だるかっただけ。
1年に1回あるかないかの、
ただの五月病。

風邪だと言えば良い。
しかし、それほど学校が嫌だったわけではなく、
2日以上も休む事ではなかった。


担任は最後まで全く疑うことなく、
電話は終わった。

母も昔、私と同じ理由を作り、
休んだ事が多々あったという。
故に、自分には叱る権利がないと言っていた。

ただ、電話を終えた後母は、こう呟いた。


『もしかしたら、天国行けないかもね。』


その時の私には母が言った言葉の意味がわからなかった。



人を1人殺したのだ。
他の誰も知り得ないその人を。
勝手に生み、勝手に殺した。
これほどまでに残酷で無益な嘘はない。

『人を殺してはいけない』

そんな当たり前で誰もが知り得る罪を犯したのだ。

しかし、"この"嘘は誰にも裁けない。
生涯付き纏う罪悪感なのだ。
その他
公開:20/11/14 22:24

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