そんな病気が

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「ついに来たな」
トオルは仲間と笑顔で頷き合った。
宇宙。
誰もが一度は憧れる、無限の世界。
トオルたちは宇宙飛行士として、優れた能力と健康な体を持つ者だけが行けるそのステージに選ばれたのだ。
「あっ、氷河だ」
「何もかもちっぽけに見えるなあ」
お月見ならぬ、地球見を楽しむ。船長はきびきびと、皆に食事をとるよう指示した。宇宙にいる間は、適切なカロリー摂取で体重を維持し、筋肉や骨が弱らないようにする必要がある。
「花見で一杯ならぬ、地球見で宇宙食だな」
食後、作業をしていたトオルは、ふと腕に痒みを感じた。我慢出来ないほどではないが、発疹が出来ている。
地球のドクターに通信を繋ぐ。
「宇宙食が原因とは思えないのですが。事前に何度も試食していますし。ご存知の通り、僕は持病もなく健康です」
ドクターは色々質問したあと、難しい顔でこう言った。
「大変申し上げにくいのですが、宇宙アレルギーですね…」
SF
公開:20/11/13 18:20

ガラマイヤ( 日本 )

読んでくださりありがとうございます。
小学生の頃、「世界中の本をぜんぶ読んでしまったら退屈になるから、自分でお話を書けるようになりたいな」と思いました。
僭越ながら、子どもの頃の夢のまま、普段はショートショート作家を目指して、2000字くらいの公募に投稿しています。芽が出るといいな。
ここでは思いついたことをどんどん書いていこうと思います。
皆さまの作品とても楽しく拝読しています。毎日どなたかが更新されていて嬉しいですね。
よろしくお願いしますm(_ _)m
*2020.2〜育児のため更新や返信が遅れておりますが、そんな中でもお読みくださり、コメントくださり本当にありがとうございます!

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