気分はアナログサイボーグ　〜入院実話シリーズ〜

首を下向けると厚手の四角い脱脂綿が三重にテープで胸に貼られている。心臓手術の跡だ。30x25cmほど。
めくると３色の細長い金属棒が極細の金属線に縛られている。体内では心臓に直結しているそうだ。
「絶対に掻かないように。掻くと死んじゃうよ」

もう１種、ビニル被覆らしい長めのコードが体心に向かって突き刺されている。正体は不明だ。

気分はサイボーグだ。それもアナログサイボーグ。気持ちいいとは言えないが、その適当さ加減と生々しいのがいい。今日はそれらを切って取る。
まず精密鋏で細い方をチョキンチョキンと切って外した。気分は改造成功である。

さて残るはビニル被覆っぽい２本のコード。
どうするかと見ていると、ほぼそのまんま、ニョロニョロニョロニョロとさっさと抜いてしまった。
『えっ？！』なんかパフォーマンスかそれっぽい装置は無いのかよう！

ま、改造された気分はあるのでよしとしとくか。