宇宙人が盗っていったもの

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多少の酔いもあって、駆け込んだ交番で真面目に取り合ってもらえない。
眩い光に拐われて宇宙人に何らかの処置をされたなんて酔っぱらいの戯言だろう。
しかし記憶は鮮明で身体に触れる冷たい感触は生々しく残っている。身体に痕跡が無いか調べてもらったが何も無かった。
酒の飲み方について窘められ家へ帰された。

帰宅し一杯の水を飲み干した。
すぐに身体の異変に気がついた。
「あれ…何か多いぞ」
戸惑った。まるで自分の身体ではない感じだ。
「誰だお前は」
例えば手足、眼球といった意識して動かせる身体の部位が増えている。
ただそれが何か分からない。まるで数十年暮らした家で開かずの間を見つけたような感覚だ。
「これは…胃なのか」
恐らく胃液が分泌された。他にも腸、肝臓あらゆる臓器を意識下に感じる。
「もしかして…」
急に疲労感が押し寄せてきた。

「盗られたのは自律神経…」
探り探り意識をして涙を排出した。
SF
公開:20/11/13 17:18

吉田図工( 日本 )

まずは自分が楽しむこと。

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