言い訳

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 自分が描いた小説のヒロインと会いたい! 青年は酔った勢いで馬鹿げた願い事を流れ星に叫んだ。
 家に帰ると、自創作のヒロインとしか思えない少女がいた。地肌にウサギ耳が生えた人間なぞ、そういるものではない。
「あなたが創造主様ですね」
「え……ほ、本当に!?」
 酔った目をこすっても消えない。まさかこんなに簡単に願いが叶ってしまうとは。
「私を生み出してくれてありがとうございます。そしてこれが私精いっぱいの――」
 少女は深々と頭を下げた、その直後。
 T青年の腹部に、デカい注射器で刺されたような激痛が走った。
「――お礼です」
 自分の腹から生えた包丁から、血が滴っている。青年は薄れゆく意識の中、叫んだ。
「だって! 君の故郷を爆破して、家族全員処理しないと! 話が始まらないんだもん!!」
ファンタジー
公開:20/11/13 22:10
更新:20/11/12 22:16

ゆぅる( 東京 )

お立ち寄りありがとうございます。ショートショート初心者です。
拙いなりに文章の面白さを追求していきたいと思って日々研究しています。
よろしくお願いします!

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