太陽どうした?

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今日は何時までたっても外は暗く、皆がおかしいなと空を見上げるが、とっくに朝の7時を過ぎている。でも東の空には太陽が登る様子すら無く、依然月と星のみだ。気象庁や放送局にも問い合わせが殺到している。

JRや私鉄各社は事情が分からぬまま兎に角、始発より電車の運行は確保している。まるで11月の北欧の朝の如きに暗く、車も前照灯を点けたまま走行している。何かの異変の前触れか兆候かと街では皆が恐れている。
テレビは臨時特番を組み、天文学者を初め、気象予報士、祈祷師、占い師などがそれぞれの立場で見解を述べてはいるが、いずれも決めては無い。

そうこうして昼の時間になると突然空に太陽が駆け上がり、汗を拭き拭き輝き明るくなった。
神が太陽にお前はどうしたのだと叱責すると、誠にお恥ずかしい話ですが昨晩遅くまで友人達とお酒を飲んでおり、すっかり目覚ましを掛けるのを忘れ寝過ごしてしまったのですと平謝りであった。
ファンタジー
公開:20/11/14 06:35
更新:20/11/14 12:50

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