集中山
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世界一勉強に向いている場所と言われている集中山。T氏はリュックに入った資格試験の参考書の重みに耐えながら、ふもとまでやってきた。
入口には門があり番人が立っていた。
「通行料でも取るんですか?」
「いいえ、これをお渡ししているんです」
T氏に貸し出されたのは、一般的なキッチンタイマーだった。
「この山で集中する時は、必ずこのタイマーをつけるようにしてください。なぜなら――」
「はいはい」
番人の言葉を聞き流して山へ登る。
「いいですか、絶対ですよ!」
国試は来週。無駄な時間は一秒もない。
T氏は悪態をつきつつ、山を登る。どうせなら人の邪魔が入らなそうな場所がいい。
人気のない岩場見つけ、参考書を開いた。その瞬間、視野から参考書以外のすべてが消失。
「すごい! これなら!」
T氏は圧倒的速度で参考書を読破。問題を解いては、答え合わせを繰り返し、全文丸暗記した所で、餓死した。
入口には門があり番人が立っていた。
「通行料でも取るんですか?」
「いいえ、これをお渡ししているんです」
T氏に貸し出されたのは、一般的なキッチンタイマーだった。
「この山で集中する時は、必ずこのタイマーをつけるようにしてください。なぜなら――」
「はいはい」
番人の言葉を聞き流して山へ登る。
「いいですか、絶対ですよ!」
国試は来週。無駄な時間は一秒もない。
T氏は悪態をつきつつ、山を登る。どうせなら人の邪魔が入らなそうな場所がいい。
人気のない岩場見つけ、参考書を開いた。その瞬間、視野から参考書以外のすべてが消失。
「すごい! これなら!」
T氏は圧倒的速度で参考書を読破。問題を解いては、答え合わせを繰り返し、全文丸暗記した所で、餓死した。
SF
公開:20/11/14 20:57
お立ち寄りありがとうございます。ショートショート初心者です。
拙いなりに文章の面白さを追求していきたいと思って日々研究しています。
よろしくお願いします!
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