お医者様はいませんか!?
2
3
離陸して20分後に事件は起きた。通路を挟んで右前方の妊婦が産気づいたのだ。離陸前から気にはなっていた。臨月間近だなと。CAも周りの乗客も慌てていた。不謹慎かもしれないが私は内心期待していた。そろそろあのセリフが聞けるのではないかと。
その時は来た。満を持してCAが言う。
「お客様の中に」
私は胸がドキドキした。
「お医者様」
心の準備はOKだ。
「とご縁のある方はいませんか?」
私はずっこけた。縁のある方?医者じゃダメなのか?恐る恐る手をあげる。
「どういったご関係で?」
CAが訝しがりながら聞く。
「えっと、祖父と父が、医者?みたいな?」
我ながら間抜けな答えだ。CAが妊婦に駆け寄る。
「もう大丈夫ですよ、お医者様とご縁のある方がいましたから」妊婦は私を見て微笑んだ。
医者と縁のある私は、ただ静かに見守った。
拍手喝采。
そして今、その赤子は立派な医者になり、私の主治医となった。
その時は来た。満を持してCAが言う。
「お客様の中に」
私は胸がドキドキした。
「お医者様」
心の準備はOKだ。
「とご縁のある方はいませんか?」
私はずっこけた。縁のある方?医者じゃダメなのか?恐る恐る手をあげる。
「どういったご関係で?」
CAが訝しがりながら聞く。
「えっと、祖父と父が、医者?みたいな?」
我ながら間抜けな答えだ。CAが妊婦に駆け寄る。
「もう大丈夫ですよ、お医者様とご縁のある方がいましたから」妊婦は私を見て微笑んだ。
医者と縁のある私は、ただ静かに見守った。
拍手喝采。
そして今、その赤子は立派な医者になり、私の主治医となった。
ホラー
公開:20/11/11 13:54
縁
口下手で面白い事が言えません。
だから書いてみます。
忌憚のないご意見をお待ちしております。
ログインするとコメントを投稿できます