オウム
0
1
「今日は朝から雨が降っている。」
と、外から叫ぶ声がする。雨など降っていない筈なのに。
「目的がわからない。」
と、隣の部屋から震えた声がする。隣の部屋には誰もいない筈なのに。
「ちょ、ちょっと、待って。」
と、テレビの中の男が言った。この部屋にテレビなど無い筈なのに。
「あ~あ。退屈だ。」
と、オウムが叫んだ。この部屋にオウムなど居ない筈なのに。
その日はとても暑い日だった。
<冬なのに。>と大きく紙に書いて壁に貼り付けた。
<夏なのに。>の隣に。
「春なのに。秋なのに。は無いの?ねえ、何で?どうして?」と、知らない男の子が聞いてきた。男の子などいない筈なのに。
おもむろに電話が鳴る。この部屋に電話など無い筈なのに。出なければならないと思った。しかし、出ることは出来ない。この部屋に電話は無い筈だから。
というより、部屋など無い筈なのだから。
その日は朝から雨が降っていた。
と、外から叫ぶ声がする。雨など降っていない筈なのに。
「目的がわからない。」
と、隣の部屋から震えた声がする。隣の部屋には誰もいない筈なのに。
「ちょ、ちょっと、待って。」
と、テレビの中の男が言った。この部屋にテレビなど無い筈なのに。
「あ~あ。退屈だ。」
と、オウムが叫んだ。この部屋にオウムなど居ない筈なのに。
その日はとても暑い日だった。
<冬なのに。>と大きく紙に書いて壁に貼り付けた。
<夏なのに。>の隣に。
「春なのに。秋なのに。は無いの?ねえ、何で?どうして?」と、知らない男の子が聞いてきた。男の子などいない筈なのに。
おもむろに電話が鳴る。この部屋に電話など無い筈なのに。出なければならないと思った。しかし、出ることは出来ない。この部屋に電話は無い筈だから。
というより、部屋など無い筈なのだから。
その日は朝から雨が降っていた。
SF
公開:20/11/10 18:00
時折、頭をかすめる妄想のカケラを集めて、少しずつ短いお話を書いています。コメントは励みになります。
コメントはありません
ログインするとコメントを投稿できます