アンドロイド自販機

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 なんでも自販機で売られる時代になった。
「とはいえ、アンドロイドの自販機を見るとは思わなかった」
 R氏は思わず止まってまじまじと自販機を見つめた。計6機のアンドロイドの胸像が陳列されている。
「う~ん、市販のよりは少し安いかな」
 掃除アンドロイドを試しに買うことにした。タッチパネルに5と入力すると、カプセル状の物体が、受け口に出現。
 家に持ち帰り、蓋を開ける。中から手や足、少しひん曲がった耳のパーツ等が飛び出してきた。
「わ、怖っ!? 自分で組み立てるのかよ。しかも説明書ないじゃん」
 R氏はため息を吐きながら、組み立て始める。通販サイトのレビューを見てみると、
「避難所や出張先でアンドロイドが必要になったとき重宝しています」
 非常食と同列の扱いだった。

「オ名前ヲ登録シテクダサイ」
「俺はウエダだ」
「オレハウネダダ様デスネ」
 メーカーに問い合わせた所、既に倒産していた。
SF
公開:20/11/10 22:24
更新:20/11/11 13:12

ゆぅる( 東京 )

お立ち寄りありがとうございます。ショートショート初心者です。
拙いなりに文章の面白さを追求していきたいと思って日々研究しています。
よろしくお願いします!

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