君という名のメロディ
16
9
靴を履いてトントンとつま先で床を叩く。
胸の伴奏が始まる。
ドアを開け、いつもの公園を抜けて学校へ。
私の中には今日も伴奏が鳴っている。
前髪を歩きながら櫛で整え、その櫛を制服のポケットにしまう。
でも肝心のメロディだけがまだ始まらない。
クラスメイトとも仲良くなったし、部活にも入った。
友達と遊びに行く約束もした。
伴奏は少しずつテンポを増して、音量も大きくなる。
それなのにメロディだけは始まらない。
いつになったら始まるの私の——
ドンッ
「邪魔だ!」
突然、私の伴奏は止まった。
すれ違いに肩がぶつかって怒鳴るおじさん。
怖い。
「気にすんな」
え…
振り返るといつも無口な拓真(たくま)君が…。
「弱い女子供にしか牙を剥けないダサい奴なんだよ、ああいうのは…」
私と目を合わさずにさりげなく。
でも私に向けて。
強く弾かれた胸のリズム。
そして、君という名のメロディが鳴り出したの。
胸の伴奏が始まる。
ドアを開け、いつもの公園を抜けて学校へ。
私の中には今日も伴奏が鳴っている。
前髪を歩きながら櫛で整え、その櫛を制服のポケットにしまう。
でも肝心のメロディだけがまだ始まらない。
クラスメイトとも仲良くなったし、部活にも入った。
友達と遊びに行く約束もした。
伴奏は少しずつテンポを増して、音量も大きくなる。
それなのにメロディだけは始まらない。
いつになったら始まるの私の——
ドンッ
「邪魔だ!」
突然、私の伴奏は止まった。
すれ違いに肩がぶつかって怒鳴るおじさん。
怖い。
「気にすんな」
え…
振り返るといつも無口な拓真(たくま)君が…。
「弱い女子供にしか牙を剥けないダサい奴なんだよ、ああいうのは…」
私と目を合わさずにさりげなく。
でも私に向けて。
強く弾かれた胸のリズム。
そして、君という名のメロディが鳴り出したの。
恋愛
公開:20/11/09 10:20
更新:20/11/09 10:45
更新:20/11/09 10:45
最近は小説以外にもお絵描きやゲームシナリオの執筆など創作の幅を広げており、相対的にSS投稿が遅くなっております。…スミマセン。
あれやこれやとやりたいことが多すぎて大変です…。
ログインするとコメントを投稿できます