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「おまえ、どこにすんだ?」
二歳児くらいの裸の男の子が僕に訊いた。
「うーん、あのママがいいかなあ」
同じ背格好をした僕は応える。
「あんまり美人じゃないな」
「先生たちが言ってただろ、この人だって感じる人を信じなさいって」
彼はむふふ、と笑った。
「俺はあの人にする」
小さな指の先に浮かぶ水の球の中で、モデルのような美女がポーズを決めていた。
「ふむ」
少し離れたところに、悲しそうな顔をした女の子が居た。
「あの子、どうしたんだろ」
「ああ、前世の罪だろ」
彼女の面前には彼女と同じように幸薄そうな女が映し出されていた。
「しかたないさ、自分で蒔いた種なんだから」
僕は彼女に話しかけた。
「大丈夫?」
「覚えてないの、なにも。でも私が悪いんだよね」
彼女には選ぶことができない。魂が汚れているから。
僕は言った。
「きっと会いに行くよ。名前は?」
「ユカリ」
僕たちは固く握手をした。
二歳児くらいの裸の男の子が僕に訊いた。
「うーん、あのママがいいかなあ」
同じ背格好をした僕は応える。
「あんまり美人じゃないな」
「先生たちが言ってただろ、この人だって感じる人を信じなさいって」
彼はむふふ、と笑った。
「俺はあの人にする」
小さな指の先に浮かぶ水の球の中で、モデルのような美女がポーズを決めていた。
「ふむ」
少し離れたところに、悲しそうな顔をした女の子が居た。
「あの子、どうしたんだろ」
「ああ、前世の罪だろ」
彼女の面前には彼女と同じように幸薄そうな女が映し出されていた。
「しかたないさ、自分で蒔いた種なんだから」
僕は彼女に話しかけた。
「大丈夫?」
「覚えてないの、なにも。でも私が悪いんだよね」
彼女には選ぶことができない。魂が汚れているから。
僕は言った。
「きっと会いに行くよ。名前は?」
「ユカリ」
僕たちは固く握手をした。
ファンタジー
公開:20/11/11 07:00
コンテスト
縁
さまようアラフォー主夫
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