運が良い話

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某国の姫である私は魔王にさらわれた。
私はニヤリと笑う。こんな事もあろうかと日々体を鍛えていた。
腕に自信はあるが念を入れ、魔王が一人で私のもとにやって来た際に闇討ちするとしよう。
「姫よ、ご機嫌如何かな?」
私の部屋にやってきた魔王。私は震え上がる乙女を演じる。
魔王が溜息を吐き、隙と背中を見せた。今だ!
私は魔王の首筋目がけ、鋭い回し蹴りを放つ!
「…いい蹴りだ。しかし、吾輩を倒すには少々力が足りないようだぞ?」
私の蹴りを受け止め、ニヤリと笑う魔王。上等だ!
私は魔王に挑み…負けた。
魔王は私に回復魔法を使い、傷を癒してくれた。
さらに疲弊した私をお姫様抱っこでベッドまで運んでくれる。
「姫よ。そなたの挑戦、いつでも受けよう」
魔王はそう言って部屋を出て行った。
…超カッコイイ!
私より強くて紳士的で理想の男じゃない!
決めた!私、魔王様の妃になる!
魔王様にさらわれて、良かったー!
ファンタジー
公開:20/11/09 19:12

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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