歪み 公園篇
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                                静かな公園。ベンチくらいしかない小さな公園。そのベンチに座っている老人。遠くを見ている。視線の先には何も無い。その老人の表情は泣いているようにも、笑っているようにも、怒っているようにも、どのような表情にも見えた。一匹のアリがベンチをよじ登ろうとしている。しかし、滑ってなかなかうまくいかない。でもアリは諦めない。何度もベンチによじ登ろうとする。老人は遠くを見ている。風が吹く。この公園には窓は無い。ほんの一瞬、宇宙が歪む。アリは宇宙の歪みを察知して動きを止める。しかし歪みが一瞬で終わったのを確認するとまた、ベンチによじ登り始める。
    
        ファンタジー
      
      公開:20/11/09 16:53      
    時折、頭をかすめる妄想のカケラを集めて、少しずつ短いお話を書いています。コメントは励みになります。
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