袖振り合うも
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バス停にいた。前から2番目。バスが着くまでには10分ある。前に並んでいるのは70歳位の女性。僕が並ぶとチラチラ見てきて、「今日は寒いわね」と話しかけてきた。あーきたか。きちゃったか。こういうところで話すの苦手なんだよな。でも二人しかいないし、できるところまでやってみるか。
「風が冷たいですよね」
「こんな薄着で来ちゃって」
「日なたは暖かいですものね」
よしよしいいぞ!
そんな他愛無い話をしていると、バスが見えた。
「あ、バス来ましたよ。来た、キタ、うわー」
バスは僕たちに向かってきたかと思うと、そのまま僕ら二人をはねた。
気が付くと、お寺にいた。僕をのぞき込む顔に見覚えがあった。バスの女性だ。僧侶の格好をしている。
「姉が生前お世話になったようで」バスの女性は双子の姉だと言った。「最後に若い人と話ができて楽しかったと言っていました」
僕は寺の跡継ぎになり、女性の墓を守ることにした。
「風が冷たいですよね」
「こんな薄着で来ちゃって」
「日なたは暖かいですものね」
よしよしいいぞ!
そんな他愛無い話をしていると、バスが見えた。
「あ、バス来ましたよ。来た、キタ、うわー」
バスは僕たちに向かってきたかと思うと、そのまま僕ら二人をはねた。
気が付くと、お寺にいた。僕をのぞき込む顔に見覚えがあった。バスの女性だ。僧侶の格好をしている。
「姉が生前お世話になったようで」バスの女性は双子の姉だと言った。「最後に若い人と話ができて楽しかったと言っていました」
僕は寺の跡継ぎになり、女性の墓を守ることにした。
その他
公開:20/11/09 14:26
縁
ゆかり
文章を書くのが大好きです。
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