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私は、喫茶店の角席で一杯の珈琲を注文した。それは、何気ないことで、意図したことではなかったけれど、そこから見えた風景画はどこかガラス一枚を隔てたアクアリウムみたいで、家族や恋人たちがふわり楽しく泳いでいる。
そこにふと映り込んだ小さな私はどこか、迷子のようだった。
「探し物はなんでしょう?」
「見つけにくいものでしょう?」
鞄の中にも、あの頃の学校机にも見つからないのに、大人になって見つけられるのかしら?
あの日の時は流れ去り、忘れ難いものだけれど、嫌なことは無くなってしまえと願ったけれど……。
これも大切な記憶の欠片に違いない、首元のペンダントが揺れた。
「探しにゆこう」
机になければ、カバンになければ、まだみぬ世界にあるはずだから……。
珈琲が冷めしまわないうちに飲み込んで、また次の世界へと旅に出る。
そこにふと映り込んだ小さな私はどこか、迷子のようだった。
「探し物はなんでしょう?」
「見つけにくいものでしょう?」
鞄の中にも、あの頃の学校机にも見つからないのに、大人になって見つけられるのかしら?
あの日の時は流れ去り、忘れ難いものだけれど、嫌なことは無くなってしまえと願ったけれど……。
これも大切な記憶の欠片に違いない、首元のペンダントが揺れた。
「探しにゆこう」
机になければ、カバンになければ、まだみぬ世界にあるはずだから……。
珈琲が冷めしまわないうちに飲み込んで、また次の世界へと旅に出る。
その他
公開:20/11/08 14:30
はじめまして、辻島 治と申します。
よろしくお願いします。
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