退屈なバイト
2
4
T少年は、圧倒的に視力が高かった。距離を目算するのも得意。しかし、そんなことが学校生活で役に立つはずもない。
社交性もなく、家に引きこもっていた。ゲームを買う金がないのが悩み。
ある日、T少年の元にスーツを着こなした大人がやってきた。
「君にやってもらいたいバイトがあるんだ。一日出れば、新作ゲームが10本以上買える。退屈だけど楽な仕事。親は了承済みだが、どうかな?」
「本当に?」
翌日、驚くほどあっさりと面接に合格した。
「では早速仕事だ」
VRゴーグルとヘッドホンをつけられ、都会のビルから別の場所に移動。
「そこに座ってじっと待っていてくれ。赤い点が出たら、方角・距離を言うんだ」
T少年は待った。ただひたすら待った。長い長い時間だった。そして、一瞬だけ赤い点が表示された。
「西に23度。距離1321メートル」
乾いた銃声は、ヘッドホンを付けた少年の耳には届かなかった。
社交性もなく、家に引きこもっていた。ゲームを買う金がないのが悩み。
ある日、T少年の元にスーツを着こなした大人がやってきた。
「君にやってもらいたいバイトがあるんだ。一日出れば、新作ゲームが10本以上買える。退屈だけど楽な仕事。親は了承済みだが、どうかな?」
「本当に?」
翌日、驚くほどあっさりと面接に合格した。
「では早速仕事だ」
VRゴーグルとヘッドホンをつけられ、都会のビルから別の場所に移動。
「そこに座ってじっと待っていてくれ。赤い点が出たら、方角・距離を言うんだ」
T少年は待った。ただひたすら待った。長い長い時間だった。そして、一瞬だけ赤い点が表示された。
「西に23度。距離1321メートル」
乾いた銃声は、ヘッドホンを付けた少年の耳には届かなかった。
SF
公開:20/11/06 18:36
お立ち寄りありがとうございます。ショートショート初心者です。
拙いなりに文章の面白さを追求していきたいと思って日々研究しています。
よろしくお願いします!
ログインするとコメントを投稿できます