神々しきお茶漬け

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 神様のお茶漬けは、一味違う。
 そもそも、『お茶漬け』と一言では表現できない。材料が米と茶である点は同じだが、眩しいほどに発光している。黒く青く、ときどき白く点滅しながら、まるで生き物かのように呼吸を繰り返す。とても美味しそうには見えないが、これもまた、一つのお茶漬けの形なのである。
 さて、そろそろ食べようか――と両手を合わせたところで、玄関チャイムが鳴った。
「創造神さまー!七福神様からお届け物ですー!」
「おや、何かな?」
 包んでいる風呂敷を解くと、それは重箱だった。そして、その中に敷き詰められていたのは……。
「これは福神漬けじゃないか!こうしちゃいられない!七福神様からこれをもらったからには、カレーを作らなければ!」
 創造神は、お茶漬けをほったらかしにして、カレーを作り始めてしまった。もちろん、彼は知る由もない――そのお茶漬けが、のちに『宇宙』と呼ばれるようになることを。
ファンタジー
公開:20/11/06 22:40

ぢろ吉郎


11/4~11/13の期間、「勝手に秋のお茶漬けデー」と題しまして、お茶漬けの物語を投稿中!(ストーリーに繋がりはありません)
11/4:「御茶ノ漬駅へようこそ」
11/5:「茶漬湖の底へ」
11/6:「神々しきお茶漬け」
11/7:「お茶漬け勇者の箸と匙」
11/8:「茶漬中毒」
11/9:「米どころ、茶漬けの祟り」
11/10:「茶が先か、卵が先か」
11/11:「檻の中。お茶漬けと一人」
11/12:「お茶漬け博物館」
11/13:「明日のお茶漬け」
お茶漬け、完結。充実したお茶漬けデーになりました……!
Twitter、ゆった~りと更新予定です。
https://twitter.com/dirokichiro?s=09

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