御茶ノ漬駅へようこそ

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「御茶ノ漬駅~。御茶ノ漬駅~」
 響くアナウンス。
 気付けば僕は、その不思議な駅で降車していた。おかしいなぁ……御茶ノ水駅を目指していたのに。
「君、御茶ノ漬駅は初めてかな?」
 動揺していると、駅員らしき男に話しかけられた。
「はい。気付いたらここに……」
「では、私が案内しよう。ここの駅前は、珍しいものばかりだよ」
 そう言うと、彼はスタスタ歩いて行ってしまった。他に行く当てもないので、彼を追いかけて駅の外へと踏み出す。
 駅前には、ありとあらゆるお茶漬け用品店が並んでいた。海苔、鮭、梅……等々のお茶漬け専門店に、珍しいところでは、鯛のダシ茶漬け専門店も。お茶漬け用に品種改良された米や茶葉を扱うお店もあるほどだ。
 お茶漬け好きの僕には堪らない……いかん、ヨダレが。
「やはり、君も同志のようだね」
 一通り案内を終えて、彼は頷く。
「ぜひ、お茶漬けのテーマパークを楽しんでいってくれ」
ファンタジー
公開:20/11/04 22:38
お茶漬け 勝手に秋のお茶漬けデー

ぢろ吉郎


11/4~11/13の期間、「勝手に秋のお茶漬けデー」と題しまして、お茶漬けの物語を投稿中!(ストーリーに繋がりはありません)
11/4:「御茶ノ漬駅へようこそ」
11/5:「茶漬湖の底へ」
11/6:「神々しきお茶漬け」
11/7:「お茶漬け勇者の箸と匙」
11/8:「茶漬中毒」
11/9:「米どころ、茶漬けの祟り」
11/10:「茶が先か、卵が先か」
11/11:「檻の中。お茶漬けと一人」
11/12:「お茶漬け博物館」
11/13:「明日のお茶漬け」
お茶漬け、完結。充実したお茶漬けデーになりました……!
Twitter、ゆった~りと更新予定です。
https://twitter.com/dirokichiro?s=09

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