運の良い話

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魔王である私は人類に対し宣戦布告を始めた。
まずは勇者を有する大国に対し、私の地元で採れた生牡蠣と私が作ったの手打ち蕎麦を贈る。失礼があってはいけないと上質な漆塗りの箱に入れ、使者に届けさせた。

「ご報告致します!大国の制圧が完了しました!」
部下の報告に耳を疑う。えっ?まだ何もやっていないよ?
「国王並びに大臣は生牡蠣に当たりました。勇者は重度の蕎麦アレルギー。さらに漆でかぶれさせるとは魔王様の知略には恐れ入りました!」
マジかぁ…そんなつもりはなかったんだけどなぁ…
「次はどうなされますか?」
私は部下に命じた。我が国の法律を大国に適用しろと。
人類の税率は確か10%。それが27%に上がるんだ。人類は苦しむぞ…

「ご報告致します!我が国の福祉厚生制度に人類は喜び、人類は魔王様に忠誠を誓いました!」
マジかぁ…まあ、戦争が起きなくて良かったよ。

こうして魔王による恒久平和が訪れた。
ファンタジー
公開:20/11/04 19:12

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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