げげげの三太郎

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『君の味噌汁が飲みたい』と言われ、内心ドキドキしながら良いよと答えた。
「作ってくれるの?『あさげ』でよろしく」
……まぁ、間違ってはないな。
全国区のインスタント味噌汁だ。スーパーでリクエストの『あさげ』を購入、説明通りに作って提出すると、非常に喜んでくれたので良しとした。
「じゃあ今度は『ゆうげ』で」
「☺」
画面越しの笑顔を想像しながら顔文字を打ち込む。手作りだと完全再現は難しいから、考え様によっては大正解だ。市販なら同じものを食べる事も出来る。SNSだって、工夫次第で距離は近付ける。
「『あさげ』『ひるげ』『ゆうげ』二人で制覇しよう」
「『ひるげ』は赤だしだね。こっちじゃ売ってないな」
「一緒に買いに行こう」
「味噌汁買いに旅行する気?下手すると泊まりになっちゃうよ(笑)」
「うん。だから」
三分間の空白。
馬鹿だなぁと笑って、真っ赤な顔で机に沈没する私は、もっと馬鹿かも知れない。
青春
公開:20/11/04 19:03
問題: この味噌汁は、三つのうちの どれでしょうか?(笑)

創樹( 富山 )

創樹(もとき)と申します。
葬祭系の生花事業部に勤務の傍ら、物書きもどきをしております。
小石 創樹(こいわ もとき)名にて、AmazonでKindle書籍を出版中。ご興味をお持ちの方、よろしければ覗いてやって下さい。
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ベリーショートショートマガジン『ベリショーズ』
Light・Vol.6~Vol.13執筆&編集
他、note/monogatary/小説家になろう など投稿サイトに出没。

【直近の受賞歴】
第一回小鳥書房文学賞入賞 2022年6月作品集出版
愛媛新聞超ショートショートコンテスト2022 特別賞
第二回ひなた短編文学賞 双葉町長賞

いつも本当にありがとうございます!

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