狐ちゃんと狸くんの化け競べ

狸が狐に僕は何にでも化けられる天才だと自慢した。すると狐は私こそ女王様よと言い返した。
どっちが人を騙せるか、競争しよう！僕は小学校のハンサム先生になる。私は幼稚園の美人先生になるわ。

二人が化けて歩くと、学校や幼稚園の登校時間だったのか子供達に直ぐ見つかり、ワァー二人は仲良しねと言われ顔を真赤にした。恥ずかしさの余り、二人のお尻に突然尻尾が生えて来た。
なーんだ、狐と狸じゃんと言われ、慌てて逃げ隠れた。

狸の父親は要領が悪い、化けの秘伝を教えよう。先ず言葉を使い、心をぼんやりさせ、迷わせて正常な判断を狂わす必要がある。それには欺くとか嘘を言うのも一方だ。その技術を身に付けるにはスパイ映画や秘密情報員の映画も参考になろう。

でも正直言うと、狸は大茶釜に化けて人を小馬鹿にするのは得意だが、狐はあでやかな美女に化けて人を誘惑するのが得意分野だ。残念ながら失敗談も狸の方が遥かに多い。