１９９

「くそ。手に負えん」
おもむろに199へ電話を掛けた。
「はい。Net消防です。炎上ですか？脅迫ですか？」
男のSNSは炎上していた。先月に続きもう３回目だ。
前回初めて199に助けを求めた所、瞬く間に沈静化した。
「炎上です。アカウントは…」
要件を伝え電話を切った。
しばらくすると罵詈雑言が飛び交っていたユーザからのコメントがピタリと止まった。
見事な迅速対応だった。
「結局、排除した所で対症療法なんだけどな」
売り言葉に買い言葉のカッとしやすい性格が原因なのは分かっていた。
「腹減った」スマホを持ってコンビニへ出かけた。
道すがらもスマホから目が離せずちょっとした事であるユーザとやりあってしまった。

突然肩を叩かれた。
振り返ると黒いスーツの男が2人。
「Net消防です。あなたへの通報が200人に達しました。消火します」
「え？ちょっ」
ホースではなく銃口がこちらに向けられている。